ひとことで言えば面白かった。
私としては「もののけ姫」よりずっと。

簡単に言えば異次元に迷い込んだ女の子とそこに居た男の子とのラブストーリーといったところかな。
そこに冒険活劇が組み合わさって…てカンジ。

観ているうち、10歳に帰りたくなっちゃいました(笑)
いいなあ、一途で無垢な千尋が羨ましい。

この映画を観ると子どもは大人のミニチュアじゃないって事がよくわかる。
全く違う生き物というか…霊長類ヒト科の中でも更に「子ども」と「大人」の分類してもいいかなと思うほどに感じ方も考え方も違う。

以前に子ども、特に10歳までの子どもは人間よりも神様に近い存在だと聞いたことがある。

(子どもは神様からの授かりもので、10歳まではまだ神様の所有物であり、親は神様から預かって育てているだけだと聞いたことがある…だから歳の数え方が10歳までは「ひとつ、ふたつ…」と数えて10歳を越えると「じゅういち、じゅうに…」と普通の数え方になるらしい)

子どもだけが持つ魔法。
映画を観ているうち、私は子どもの頃に遊んだ場所(映画に出てきたようなムチャ田舎)に大人になってから行った事を思い出していた。

そこに立っても何も感じなかった、ワクワクもしなかった。
子どもの頃は想像力が豊かで…と思われるだろうが違うと思う。

きっと何かが見えていたんだろう。
感じられたのだろう。

…それが何だったか私は思い出そうとしたけど、頭に靄がかかったような、喉に何かが引っかかったような感じで、ついに思い出せなかった。

余談だが、映画を観終わった後で私の後ろに居た学生が「ストーリーや登場人物がよく分からなかった」とぼやいていた。
…きっと彼も、もう大人なんだろうと思う。
目に見えるものしか分からない、感じられない。

宮崎監督の映画は一種の謎解きのような所があって、彼は観客にそれを解いてもらう事を楽しみにしてるような節がある。
彼の映画は観るものではなくて、感じるものなのだ。

個人的には宮崎監督が日本古来の題材で映画を作ってくれて事が嬉しかったんですが。
ラピュタやナウシカ、紅の豚も洋物ぽくて格好いいのだけど、やはり和風物が好きな私でありました。

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