夏もお遍路さんでGO

2002年6月21日
電車を待っていたら向かいのホームにお遍路さんが居た。
白装束を着て重い荷物をベンチに下ろし、見るからに暑そうである。

私は生まれた時から四国で暮らしているくせに八十八ヶ所を巡礼した事が無い。いくつかのお寺にちょこちょこと参拝したのみ。

いつか行ってみたいと思うがそれは置いておいて。
お遍路さんにもし行くなら絶対白装束は身につけてGOだ。
全身真っ白がうーむ…と言うなら上だけでもいい。
何故か。それはお遍路さんと一般人を見分けるためである。

お遍路さんの特権として店の順番待ちをすっ飛ばす事が出来る、お接待を受ける事が出来る等等があるが、やはりこの為には白装束でないとなー。

私は子どもの頃、結願(けちがん)の寺の近所に住んでいたのだが、お遍路さんを見掛けたら道を譲るように、またお店で待つことがあったら必ずお遍路さんを優先させてあげなさいと教えられてきた。

多分、四国の人間は皆そうじゃないのかなあ?
今でもお遍路さんを見掛けたら何事も譲るし、それが当たり前と思っているので別に腹も立たない。

今は無くなってしまったかもしれないが、昔はお遍路さんを見たらお金を渡す風習があった。それは「使ってください」ではなくて「私の代わりにお参りしてきてください」という意味合いがある。

そう言えば小説「死国」に「逆打ち」が出てきて「死者を蘇らせる」云々と書いていたが、そんなの聞いた事が無いなー…。

確かに「逆打ち」というまわり方はある。
しかし私が子どもの頃に近所のオババ様から聞いたのは「逆打ちをすると巡礼途中でお大師さまに逢える」というものだった。

夢で逢える、とかではなくて弘法大師が実際に人間の姿になってその人の前に現れてくれる、と。
どんな姿かは分からないが(その時々によって違うらしい)ピンチを救ってくれたりするそうである。

その時は「?」らしいが、後々になって不思議な感覚に襲われるらしいので「ひょっとして…」と思うようだ。

歩いてまわって40日ほど。(費用は一日1万円ほどらしい)
やってみたいと思うが、やっぱりそこまで私には根性が無い。

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