行って来たぞ、東京フラフラフラリ旅(男女間に友情は成立するのか編)
2003年1月5日ぐったりとして、何とかホテルの部屋にまでたどり着いた。
そのまま荷物を放り出そうとした…が、部屋の隅から荷物置きを引きずってきてボストンバッグをその上に置く。
(我ながらマメな奴だ)
テレビをつけてみた。
私は旅行へ行ってテレビを見るのが大好きである。
地方番組を見るのではなく(もちろんそれも面白いけど)ただ単にコマーシャルが好きなのである。
特に地方の食料品、日用品、ホームセンターのコマーシャルは面白い。
無名のタレントさん、またはどう見ても社長の身内やなと思わせる方々が出てきて、下手なドラマよりよっぽど勢いがあって面白い。
そんな話はさて置き、テレビを見ているうちに眠気に襲われた。
ウトウトしていると携帯が鳴る。
出ると待合せの相手。聞けば今、仕事が終わったという。
ちなみに相手は休日出勤中だった。
同じ会社に勤めていながら相手は休日出勤、私はのほほんと休暇中とは。
今から会社を出るというので、市ヶ谷駅で待合せする事にする。
あああ、市ヶ谷なんて行った事無いのに。
その事を相手に言うとまたもや「大丈夫、大丈夫」しか返ってこない。
「お前はロボットか」と思いつつ、電話を切った。
寝ていたので、鏡を見たらあんまりな姿。
急遽、顔を洗い化粧をし直し、髪型を整えた。
その時、また携帯が鳴る。
もう駅に着いたと言う。早すぎる。もうちょっと気を利かせろ。
私は携帯で話しながら「今、(ホテルを)出たトコ」と言った。
まるで蕎麦屋の出前である。
ホテルを出て駅に向かう。
私は一度通った所は忘れないので、それだけは自慢出来る所である。
駅から地下鉄に乗り、市ヶ谷で降りた。
ホームを歩いていると…居た。待合せの相手。
手を振ってみる。
しかし、反応が無い。
悔しいのでヤケになって少し離れた目の前で手を振ってみた。
やっと気が付いたらしい。
聞けば私と分からなかったとの事。
…失礼な。化粧の仕方も髪型もいつもと変えたけど何だかなあ。
お腹も減ったので御飯を食べに行く事にする。
店はお任せにしてあったので、私はただ付いて行くのみ。
そやつは前々から気になるイタメシ屋さんがあると言っていたのだが、店に行くとガーン…閉まっていた。
「仕方が無い、他を探そう」と刑事ドラマのような台詞を奴は言いながらまた歩き出したが、そこも休み。
虚しくなってきた私は先にFM東京に連れて行ってもらうことにする。
地下鉄の駅を降りて歩く、歩く。
革靴の足が痛くなってきた頃「ホラここだ」と言われた。
…思ったより小さいビルなんですね。
中には入れないので建物の周りをぐるっと一周し、色々な妄想をしながら(笑)そこを後にした。
ニヤニヤして裏口を覗いてたら、守衛さんも変な顔をしていたなあ。
ああ、Cさん、もう一度ラジオやってくれませんか?
で、FM東京に満足した私は本気で御飯屋を探す事にする。
地下鉄に乗ったり降りたりしたが、もうどこの駅かすら分からない。
結局、最後に降りた駅は「市ヶ谷」だった。
…今までの苦労は何だったんだ。
しかし、歩いてたらマクドナルドまでが閉まっている。
東京って、もしかしなくても田舎出身の方が多いのだろうか。
皆早々に店を畳んで帰省するから、どこもかしこも閉まってるのかな。
歩いていると「天狗」(居酒屋チェーン)に出くわす。
咄嗟に私は「ここでいい!」と叫んでしまっていた。
相手は「向こうに鳥料理屋があるよ」と言ってくれたのだが、私は「天狗」がいい!と譲らなかった。
理由はズバリ「目の前に店があるから」。
そう、もう歩くのは限界だったのだ。
やっぱり私は、店はゴミゴミしてても繁華街に近い方が良い。
細かい事までこだわる店主は色々難しい御託を並べたがるけど。
人が店を決める理由なんて、案外こんな単純なモンでしょう?
私が大雑把なだけなのか。
店に入ると満員。
みんな行くところが無かったのか(笑)
店員さんが注文を取りに来る。
その時、彼女は私たちを見て「あれ?」という顔をした。
実は今日の相手は男。しかも妻帯者。
彼は結婚指輪をしている。私はもちろんしていない。
今日は居酒屋だが、二人が揃って高松に居た時は店の梯子など平気で夜中までやっていた。
バーに入ると大抵バーテンは一瞬妙な顔をしたものである。
そんなにおかしいのか。
非常識なのかなあ?
彼の奥さんとはお互い知ってる仲であるし、三人がそれぞれ納得してたらそれで良いのではないのかと。
…それで良いだろう。
昔「男女間に友情は成立するか」という内容の映画があったはずだが、私に言わせれば2時間近くもウダウダとスクリーンの中でやらなくても、答えは「YES」なのである。
ちなみに一応その映画は観たのだがタイトルは愚か、話の結末すら全く覚えていない私であった。
結局、その日はその店でずっと過ごした。
しかし全然、大テーブルのメンバーが入れ替わらない。
斜め前の粋なカップルも、キャッキャッとはしゃいで飲んでいる。
ずっと一緒に座ってると別に話すわけでもないのに連帯感がほんわかと。
空気を共有すると言うのか、雰囲気を共有すると言うのか。
多分、みんな今日は行くところが無くて落ち着いてしまってるんだな。
あろう事か、店の勘定をおごらせてしまった。
いつも割りカンなので、今回もそのつもりだったのだが、相手が頑として譲らない。
ありがたいが、何か釈然としなかった。
帰る道筋だと言うのでホテルまで送ってもらう。
途中、クダラナイ事を喋り倒した。
社会人になると、話の半分が仕事や上司の愚痴になっちゃうね。
学生の頃は好きなアーティストがどうの、どこのケーキが美味しいのと話していた気がするが、大人になると重い肩の荷を降ろす方が大切になってくるんだな。きっと。でないと重さで潰れちゃうからね。
私をホテルまで送って、奴は帰っていった。
背中を見送っていたら「何か疲れてるなあ」と思った。
お互い、そんな大変な時代を生きてるの?
…ああ、生きているんだろうね。
人が萎縮するのを見るのは辛い。
それが自分の身近な人だと尚更だったりする。
悲しいよ。
もうちょっと続く、この連載。
そのまま荷物を放り出そうとした…が、部屋の隅から荷物置きを引きずってきてボストンバッグをその上に置く。
(我ながらマメな奴だ)
テレビをつけてみた。
私は旅行へ行ってテレビを見るのが大好きである。
地方番組を見るのではなく(もちろんそれも面白いけど)ただ単にコマーシャルが好きなのである。
特に地方の食料品、日用品、ホームセンターのコマーシャルは面白い。
無名のタレントさん、またはどう見ても社長の身内やなと思わせる方々が出てきて、下手なドラマよりよっぽど勢いがあって面白い。
そんな話はさて置き、テレビを見ているうちに眠気に襲われた。
ウトウトしていると携帯が鳴る。
出ると待合せの相手。聞けば今、仕事が終わったという。
ちなみに相手は休日出勤中だった。
同じ会社に勤めていながら相手は休日出勤、私はのほほんと休暇中とは。
今から会社を出るというので、市ヶ谷駅で待合せする事にする。
あああ、市ヶ谷なんて行った事無いのに。
その事を相手に言うとまたもや「大丈夫、大丈夫」しか返ってこない。
「お前はロボットか」と思いつつ、電話を切った。
寝ていたので、鏡を見たらあんまりな姿。
急遽、顔を洗い化粧をし直し、髪型を整えた。
その時、また携帯が鳴る。
もう駅に着いたと言う。早すぎる。もうちょっと気を利かせろ。
私は携帯で話しながら「今、(ホテルを)出たトコ」と言った。
まるで蕎麦屋の出前である。
ホテルを出て駅に向かう。
私は一度通った所は忘れないので、それだけは自慢出来る所である。
駅から地下鉄に乗り、市ヶ谷で降りた。
ホームを歩いていると…居た。待合せの相手。
手を振ってみる。
しかし、反応が無い。
悔しいのでヤケになって少し離れた目の前で手を振ってみた。
やっと気が付いたらしい。
聞けば私と分からなかったとの事。
…失礼な。化粧の仕方も髪型もいつもと変えたけど何だかなあ。
お腹も減ったので御飯を食べに行く事にする。
店はお任せにしてあったので、私はただ付いて行くのみ。
そやつは前々から気になるイタメシ屋さんがあると言っていたのだが、店に行くとガーン…閉まっていた。
「仕方が無い、他を探そう」と刑事ドラマのような台詞を奴は言いながらまた歩き出したが、そこも休み。
虚しくなってきた私は先にFM東京に連れて行ってもらうことにする。
地下鉄の駅を降りて歩く、歩く。
革靴の足が痛くなってきた頃「ホラここだ」と言われた。
…思ったより小さいビルなんですね。
中には入れないので建物の周りをぐるっと一周し、色々な妄想をしながら(笑)そこを後にした。
ニヤニヤして裏口を覗いてたら、守衛さんも変な顔をしていたなあ。
ああ、Cさん、もう一度ラジオやってくれませんか?
で、FM東京に満足した私は本気で御飯屋を探す事にする。
地下鉄に乗ったり降りたりしたが、もうどこの駅かすら分からない。
結局、最後に降りた駅は「市ヶ谷」だった。
…今までの苦労は何だったんだ。
しかし、歩いてたらマクドナルドまでが閉まっている。
東京って、もしかしなくても田舎出身の方が多いのだろうか。
皆早々に店を畳んで帰省するから、どこもかしこも閉まってるのかな。
歩いていると「天狗」(居酒屋チェーン)に出くわす。
咄嗟に私は「ここでいい!」と叫んでしまっていた。
相手は「向こうに鳥料理屋があるよ」と言ってくれたのだが、私は「天狗」がいい!と譲らなかった。
理由はズバリ「目の前に店があるから」。
そう、もう歩くのは限界だったのだ。
やっぱり私は、店はゴミゴミしてても繁華街に近い方が良い。
細かい事までこだわる店主は色々難しい御託を並べたがるけど。
人が店を決める理由なんて、案外こんな単純なモンでしょう?
私が大雑把なだけなのか。
店に入ると満員。
みんな行くところが無かったのか(笑)
店員さんが注文を取りに来る。
その時、彼女は私たちを見て「あれ?」という顔をした。
実は今日の相手は男。しかも妻帯者。
彼は結婚指輪をしている。私はもちろんしていない。
今日は居酒屋だが、二人が揃って高松に居た時は店の梯子など平気で夜中までやっていた。
バーに入ると大抵バーテンは一瞬妙な顔をしたものである。
そんなにおかしいのか。
非常識なのかなあ?
彼の奥さんとはお互い知ってる仲であるし、三人がそれぞれ納得してたらそれで良いのではないのかと。
…それで良いだろう。
昔「男女間に友情は成立するか」という内容の映画があったはずだが、私に言わせれば2時間近くもウダウダとスクリーンの中でやらなくても、答えは「YES」なのである。
ちなみに一応その映画は観たのだがタイトルは愚か、話の結末すら全く覚えていない私であった。
結局、その日はその店でずっと過ごした。
しかし全然、大テーブルのメンバーが入れ替わらない。
斜め前の粋なカップルも、キャッキャッとはしゃいで飲んでいる。
ずっと一緒に座ってると別に話すわけでもないのに連帯感がほんわかと。
空気を共有すると言うのか、雰囲気を共有すると言うのか。
多分、みんな今日は行くところが無くて落ち着いてしまってるんだな。
あろう事か、店の勘定をおごらせてしまった。
いつも割りカンなので、今回もそのつもりだったのだが、相手が頑として譲らない。
ありがたいが、何か釈然としなかった。
帰る道筋だと言うのでホテルまで送ってもらう。
途中、クダラナイ事を喋り倒した。
社会人になると、話の半分が仕事や上司の愚痴になっちゃうね。
学生の頃は好きなアーティストがどうの、どこのケーキが美味しいのと話していた気がするが、大人になると重い肩の荷を降ろす方が大切になってくるんだな。きっと。でないと重さで潰れちゃうからね。
私をホテルまで送って、奴は帰っていった。
背中を見送っていたら「何か疲れてるなあ」と思った。
お互い、そんな大変な時代を生きてるの?
…ああ、生きているんだろうね。
人が萎縮するのを見るのは辛い。
それが自分の身近な人だと尚更だったりする。
悲しいよ。
もうちょっと続く、この連載。
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