唐突にみゆきさん

2003年1月18日
震災の日の朝のテレ朝の番組のオープニングで
中島みゆきさんの「旅人のうた」がかかっていた。
早く家を出なければ会社に間に合わない私だったが思わず足を止めた。

私にはこの曲は確か「家なき子」で使われた曲という記憶しかない。
しかも私はそのドラマを見ていないので、その曲に対する知識も思い入れも何も無かった。

でも聞いてたら涙が出てきた。
「歌」って「さあ聴こう!」と構えるのではなく、
何かをしていた時にふと手を止めたという風な出会い方がいいな。

無意識を覆す力というのは物凄いものがある。
日々ラジオを聞いたりテレビを流し見しているうち
どれほどの物が私の意識を奪えるのだろうか。
どれほどの物が脳裏に残りますか?

会社に行った私は外回りの仕事で事務所を出た。
いわゆる繁華街をずっと通っていくのだが
その途中に行きつけのCDショップがある。

気が付けば、その店に入ってしまっていた。
迷わず「旅人のうた」を入ったアルバムを探して買ったよ。
まるで、そこへ行かないと帰れないみたいに。

と言っても、彼女のアルバムを買ったのは初めてではないし、コンサートにも数回行った事がある。
それでもファンというほどの人間ではなかった。
だけど今回だけは。

彼女の歌はいつも弱者の傍に立っている。
けれど「助けて」って手を出したら「自分で立ちなさい、見ててあげるから」と言われてるような気がするよ。
もちろん、それが総てではないのだが。

全然関係ないが、こっそりアルバムを買って帰ったら唐突に上司が
「そう言えば中島みゆきって凄いなあ」と言い出した。
一瞬「バレた!?やべえよ!!」と思ってドキドキしたが、
どうやらオリコン1位の事を言っているらしかった。

ああ、心臓に悪い。やっぱり運命はちょっと悪戯好きだ。

 
 
 
 
 

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