言葉の魔法

2003年2月10日
母親が仕事を辞めた。
今は一日中家に居るので、当然朝も居る。(変な日本語だ)

毎朝、会社に行く時に玄関まで見送りに来てくれるのだが、
その時に言われた言葉。
「気をつけてね」
…何の変哲も無い言葉だが。

それで思い出した。
以前、まだ学生だった頃に友達の部屋へ遊びに行ったのだが、
帰るのがとても遅くなってしまった。

夜道が怖いなあと思いながら、帰ろうとした私に友達が言った言葉。
「気をつけてね」
思わず黙って彼女を振り返った。

今まで「サヨナラ」「バイバイ」という挨拶しか交わした事が無くて、
そういう言葉しか掛けられた事が無くて。
いわゆる「気遣い」の言葉を貰ったのは初めてだった。

その一言が嬉しくて、ちゃんと家まで帰ることが出来たような気がする。
「言霊」という言葉があるが「言葉の魔法」というものを実感したのは
その時が初めてだったような気がするよ。

それから人と別れる時には「さよなら」の後に
「気をつけてね」と言うようになった。
まあ、私が口にする時は「気ぃつけてな」になるのだが。

言葉一つで人は変わるね。
言葉が魔法だとしたら、それを扱う私たち人間はみんな魔法使いだろう。
魔法使いはハリーポッターだけじゃ無いってことかも。


 
 
 
 
 
 
 
 

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