2軒となりの家が突然取り壊され始めた
確かおじいさんがひとりで住んでいたはずなのに
どこへ行ってしまったのかわからない
取り壊しは3日間続き、そこは更地になった

数日後、住宅メーカーの方が訪ねてきた
更地になったところに新しく家を建てます、騒音等あったらごめんなさいと
彼におじいさんの行方を聞いたらボケて息子さんが施設に入れたとのこと
…んなアホな!ちゃんとおはようございますとかこんばんはとか
この前まで挨拶を交わしてたのに!人間そんな簡単にボケるんか!?

挨拶すると家に遊びにおいでとずっと言ってくれてたんだが
女一人でのこのこ上がり込むわけにもいかず、断り続けていた
一回ぐらいはお言葉に甘えてもよかったのかもしれない
頭では上がり込まなくて正解だとわかっているが
心情的には行くべきだったんじゃないかと今でも思う

もうおじいさんには会えない
そう思いながら更地を見ると、奥さん(おかん猫)が
ど真ん中で悠々とおしっこをしていた
「ようやってくれた」という想いで泣きながら笑ってしまった

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