テレビで「臨場」を観たが後味が悪かった
長塚京三さん無駄死しちゃったし
平田満さんも理不尽さと不幸を
ひとりで背負い込んで死んじゃったし

両者とも法で裁けない人間に己の手で鉄拳を下そうとしていたんだ
部外者が口出しして正義面するのはたくさんだ
わたしはサスペンスドラマの最後で主人公がしたり顔で
犯人を「あなたがこんなことをして死んだ人間が喜ぶとでも思っているの」と
説得するのが大嫌いなのだが結局それと一緒じゃないか
あまりにも陳腐だ
しかも温情かけた犯人に刺されて死ぬとはとんだ三文小説

主人公は単に恩師が犯罪者となるのが許せなかっただけじゃないのか
警察関係だから正義第一という大義名分だけで
人は肩書きを棄ててもその存在は残るが
人を棄ててしまえば肩書きや正義なぞ何の意味もない
飾りをすべて取り去って残るのは「人」のみ

悪いことをした人間にも家族がいる、と高島弟は言ったけど
あの場でそのことを持ち出すのは最も卑怯だと思った
消化不良で釈然としない映画だった
何の救いもない 悲しい

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